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 敏満寺地区にはお地蔵さんが点在しています。そのうちの一つ、”辻の地蔵”と呼ばれているお地蔵さんは、敏満寺の中央を貫く大通りに面しています。水船、立、水無落、茶売の4つの小路が管理しており、小路の家々は順番で、毎日交代でお地蔵さんにお供えをしています。

 このお地蔵さんには古文書が残っています。内容は、昔から4つの小路が祀ってきた地蔵菩薩のお堂が大破したため、新しく建てるのにある人の土地の一角を貸していただきたいというものです。将来、その人の子や孫の代に土地の返却を望まれたら返還する、そのため子々孫々に伝えるために記載するというもので、江戸時代後期、1851年に記されました。

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 地蔵盆は京都が有名ですが、滋賀県でも行われています。敏満寺では地蔵盆はお盆の翌週に行われます。辻の地蔵では、4つの小路が1年ごとに回り持ちでとり行います。お地蔵さんの周囲を提灯や飾り物で綺麗にし、果物やお菓子をお供えします。お地蔵さんは子どもを見守ってくれます。子どもたちは鐘を鳴らしながら、道行く人にお賽銭をお願いします。その時の文言は以下の通りです。

”なんむーじーぞう、つーじのじーぞう、からかみ破れてさーむさむ”。

敏満寺の他のお地蔵さんも、同様の節で唱える所があります。なお地蔵盆が終わった後の果物やお菓子と賽銭の分配は、地区の子ども達にとって夏の終わりの大きな楽しみです。

 敏満寺地区は昔は子どもが多く、地蔵盆のときはたくさんの子どもがお地蔵さんをお守りしていました。今は少子化で地区の子供も減りました。子どもより圧倒的に人数の多い高齢者が、地蔵盆でお地蔵さんのお守りをしています。

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